B型肝炎には対策を!

妊娠初期の血液検査について書いてきております。

血液型について
不規則抗体について
血算について
トキソプラズマについて
サイトメガロウイルスについて
TORCH症候群について
梅毒について


続いて、
B型肝炎ウイルスについて。

こちらも病気としては
聞いたことがある方は多いはず。

その名の通り、肝炎の1つです。
B型肝炎ウイルス(HBV、Hepatitis B Virus)
が肝臓に炎症を起こします。
ウイルスっていうだけあって、感染症。


医療職者としては
学生時代に必須で検査&予防接種される
メジャーな疾患でもあります。

なぜなら
血液を介して感染するので
採血や注射などで
誤って患者に使った針を自分に刺しちゃた!
なんてことが無きにしも非ずなので
予防のためにワクチン接種がされています。

ちょっと脱線しましたが

このB型肝炎ウイルス、

母から子へ感染するおそれがある!

ということで
妊娠初期のスクリーニングに入っています。

ただ、今までの
サイトメガロウイルスとか梅毒とかトキソプラズマと違って
胎盤を通して感染することはまれらしいです。(5%以下)
それよりも、分娩時に産道感染する方がリスクが高い!

産道感染とは
赤ちゃんが子宮頸管や膣を通って
産まれてくる時に
もちろん出血とかもあるわけだから
母の血液に含まれたウイルスが赤ちゃんに移って
感染することです。


そんなわけで、妊婦健診では
HBs抗原検査をします。
厚生労働省によれば、
この検査は妊娠8週前後ですることを推奨。

HBにちっちゃい「s」が付いてるけど何なん?

別でHBe抗原もあります。

ややこしい〜。

「HBs」抗原はウイルスの表面の蛋白。

とりあえず、これが陽性であれば
B型肝炎に感染しているという意味です。

「HBe」抗原はウイルスが増殖した時にたくさん作られて
血液中に流れ出した蛋白。

つまり、HBe抗原が陽性ということは、
血液中にウイルスがたくさんいて
感染力が強いよ〜
ってことを示します。

HBs抗原が陽性でも、多くの人が
HBVキャリアといって
特に自覚症状もない状態です。
なので、
昔の輸血とか何かの原因で感染したけど
抗体を検査するまで知らなかったわ〜
という人も多いです。

ただ、HBe抗原も陽性だと、
ウイルス量が多いということなので
赤ちゃんへの感染リスクも高くなります。

HBVキャリアの妊婦で
何も対策をせずに出産すると
約30%の赤ちゃんがキャリアになるといわれています。

日本では
妊婦のHBs抗原陽性率は0.2〜0.4%。
そのうちHBe抗原陽性率は25%。

HBe抗原が陰性だと
赤ちゃんがHBVキャリアになることは
ほとんどありませんが
10%程度に、急性肝炎や劇症肝炎が起こるといわれていて、侮れません。

急性とか劇症てどんな感じ?

急性肝炎は、発熱や食欲不振など
初めにインフルエンザの様な症状があり
その後、黄疸や肝腫大が起こります。
ちゃんと治療すれば数カ月で治りますが
赤ちゃんの場合は体も小さく体力も無いので
重症になるおそれが。

さらにまれですが
劇症化(劇症肝炎)に移行すると
大人でも生存率20%といわれています。


というわけで
感染していることがわかれば対策が必要!

HBs抗原陽性と分かった妊婦から
生まれてくる赤ちゃんは全て
「B型肝炎母子感染防止対策」の対象になります。
保険適用です。
この対策のおかげで
赤ちゃんへの感染は激減しました。

まずは
赤ちゃんが生まれた直後(12時間以内)に
抗HBsヒト免疫グロブリンという製剤と
B型肝炎ワクチンをそれぞれ注射します。

前者のグロブリンは、
すでに侵入したウイルスを抗体で排除するためで
後者のワクチンは、
抗原を接種することで抗体を作らせるのが目的です。

続いて
生後1カ月、再びB型肝炎ワクチンを注射。

さらに生後6カ月、同じワクチンを注射。

そして生後9〜12カ月の頃に
赤ちゃんの感染状況を調べます。
(HBs抗原とHBs抗体検査)

この抗体検査が陽性であれば成功で
もし抗体が陰性もしくは値が低ければ
ワクチンを追加したり種類を替えたりして対応するようです。

このように、
B型肝炎に対しては結構しっかりした対策が講じられているので
比較的安心ではあります。

ちなみに、
B型肝炎ウイルスに関しては
母乳栄養を禁止する必要はないとのこと。

日常生活では
血液や体液には直接触れないようにすればいいです。

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この写真は実際に注射していませんが
注射器の大きさと針(付いていたとしたら)の角度と深さがありえなくてウケますw

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